
今回は世界的ピアニストを目指す若者達が参加する国際コンクールを舞台にリアルなピアノの演奏シーンが話題の映画、「蜜蜂と遠雷」をご紹介します。
「蜜蜂と遠雷」レビュー評価
私のレビュー
難しくてつまらない?
ピアニストを目指して、世界中から候補者が集まるコンクール。
あんなにピリピリして張り詰めた空気は味わった事がないので、世界的コンクールは未知の世界を見ているようでドキドキしました。
コンクール参加者の緊張が映画を見ているコチラまで伝わってくる様です。ピアニストの方やコンクールに参加される方達はこんな世界で闘ってきたのかと思い、尊敬してしまいます。
ピアニストの方はピアノの実力だけでなく、精神力も身に着けているんですね。

実はてんちゃんもピアノを習っていますが…こんな熱心に練習に励んではいないので(笑)我が家は楽しく音楽を続けてもらえばいいと思ってます。

ピアノの発表会も緊張するよー!

そうだね、地道に頑張ろうね。
砂浜に足跡で楽譜を表すシーンは、凡人の私にとっては全くもって分からないですね。(笑)天才と呼ばれる人達の感性は、本当に天才にしか分からない何かがあるのでしょうね。
でも、子供の頃からすべての時間をピアに費やし、人生をピアノと共に歩んできた天才たちはこのような世界観にいるんだなという事が伝わってきて、興味深いです。知識はなくても、ピアニストの世界に没頭してみたら楽しめると思います。
ピアノを本当に弾いてる4人は天才
・栄伝亜夜の演奏…川村尚子さん
ミュンヘン国際コンクール第2位、クララ・ハスキル国際コンクール優勝。ドイツを拠点にリサイタルの他にウィーン響、バイエルン放送響等にソリストして迎えられ、日本でもヤノフスキ指揮ベルリン方法響、ビエロフラーヴェク式チェコ・フィル等のツアーに参加。文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞等、多数の賞を受賞。現在、ドイツ。フォルクヴァング芸術大学教授。
・高島明石の演奏…福間洸太朗さん
パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学にて学ぶ。20歳でクリーヴランド国際コンクール優勝。カーネギーホール、ベルリンコンツェルトハウス、サントリーホールでリサイタル他、クリーヴランド管、モスクワフィル、イスラエルフィル、NHK交響楽団等と共演、一流フィギュアスケーター、バレエダンサーとも共演。
・マサル・Cレビ=アナトールの演奏…金子三勇士さん
1989年、日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれる。6歳で単身ハンガリーにわたりバルトーク音楽小学校に入学。2001年、11歳でハンガリー国立リスト音楽院大学(特別才能育成コース)に入学し、2006年に全過程習得し帰国、東京音楽大学付属高等学校に編入する。2008年バルトーク国際ピア音コンクール優勝の他、数々のコンクールで優勝。
・風間塵の演奏…藤田真央さん
2017年弱冠18歳で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝し、世界の注目を浴びる。2018年には、ルール音楽祭でリサイタルを行った他、ヴェルビエ音楽祭にアカデミー生として参加。スイス、並びにパリのルイ・ヴィトン財団主催New Generationシリーズに招かれた。今シーズンもオーケストラと共演を重ねる他、10月には紀尾井ホールでのリサイタルなどを予定している。現在、20歳。特別特待奨学生として東京音楽大学2年 ピアノ演奏家コース・エクセレンスに在学中。
栄伝亜夜/松岡茉優
子供の頃のトラウマを抱える栄伝亜夜を演じた松岡茉優さん。
物静かな亜夜の、トラウマで上手くピアノを弾けなくなった時のこわばった表情、塵君と一緒に「月の光」を連弾している時の本当に楽しそうな表情が忘れられません。
ドビュッシーの「月の光」は聞いていてとても心地いい音楽ですよね。詳しくなくても、あの曲だと感じると思います。優しく、激しくピアノを通して気持ちを理解し合う二人が美しくてとても好きなシーンです!
ライバルの演奏を聴いて、自分の中の感性が溢れ演奏をしたくてたまらなくなり、練習部屋が空いていないと方を落とすがピアノを貸してもらえる事になり、ピアノの元に向かう亜夜が本当に活き活きしていて本当にピアノが好きなんだなと感じました。
松岡茉優さんは細かい表情や抑揚がとても上手なので、亜夜が静かに感情を高ぶらせる様子が上手く表現されています。
ラストの本選での亜夜の演奏は圧巻でしたね。コンクールの本選に選ばれる位なので皆さん上手いのでしょうが、サラサラボブの髪型が亜夜の演奏とリンクするように跳ねまわって目を奪われました。髪型も味方につける松岡茉優さんがすごい!
風間塵/鈴鹿央士
風間塵を演じるのは今作が俳優デビューとなる鈴鹿央士さん。目がキラキラしていて、本当にピアノが大好き!という気持ちが良く伝わってきます。
鈴鹿央士さんも塵君と似ている部分を感じていた様で、ほとんど役作りをしていなかったという話を聞きました。風間塵という人物としてそこに存在していて、今後の活躍が楽しみな役者さんになりそうです!
塵君は正規の音楽教育を受けていないにも関わらず天才的な才能で、音楽家や審査員にも天才少年とも言われる、天才児。
私が驚いたのは、木製の無音ピアノで練習しているシーン。カタカタという音しか鳴らない木製ピアノを弾き続け、けがをした指に接着剤を塗ってまた練習…
確か、塵君は16歳だったはず…16歳でこんな健気に一人練習を続けられるの?という驚きと、大きな目をキラキラさせて演奏する姿に胸をうたれます。
天才はピアノの音が聞こえなくても頭の中で想像して、無音でも演奏練習が成立してしまうというのが驚きですね。
塵君がこのまま無垢な感性を保ったままピアニストになれるのか?世間にもまれて塵君の良さが失われない事を祈ります。
ネット上のレビューは?
蜜蜂と遠雷(映画)、原作があるにせよドラマナナメ読みで言及されていた「才能の描き方」に対して真っ向から勝負しに行っててすごいな…と思う.原作があるからこそ逆にハードル上がってしまうみたいなところがあると思うけど4人それぞれの才能がちゃんと描き分けられていて凄いなと改めて思いました
— さおり (@prn990908) March 24, 2025
才能があっても努力しなければいけないし、天才の苦労も知れてよかったです。
『蜜蜂と遠雷』
4人とも本当に素敵!
特に風間塵役は、キラッキラした目で印象的だった。栄伝亜夜のエピソードが主に描かれる映画版。
亜夜の2次予選の演出に思わずホロリし、ラストは涙が止まらず…。
音楽も映像も美しい映画だった。 pic.twitter.com/bjXYlXBf2l— サイ (@sai04011) April 9, 2020
塵君のキラキラした目に引き込まれますよね!美しい映画です。
蜜蜂と遠雷観たけど全く意味がわからなかったので、やっぱり原作読もうと思います。
ドビュッシーの月の光やベートーベンの月光の連弾シーンはとても良かった。 pic.twitter.com/QHuqNyOC8R— 真夕 (@mayuyupeko) October 6, 2019
言葉で意味を説明するではなく、感性で受け止めるのが正解な気がします。
「蜜蜂と遠雷」について
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説を映画化した作品。
あらすじ
世界的ピアニストを目指す若者達が参加する芳ヶ江国際ピアノコンクール。ここに4人の若者が参加している。母の死をきっかけにピアノ演奏にトラウマを持っているかつての天才少女栄伝亜夜は7年ぶりにコンクールに参加する決意をする。音大卒で年齢制限ギリギリの高島明石は今回が最後の挑戦と意気込む。名門ジュリアード音楽院在籍中で完璧な演奏技術を持つマサル・Cレビ=アナトールは優勝候補として注目されている。最後は風間塵。パリで行われたオーディションに突如現れ、先日亡くなった世界最高峰のピアニストからの推薦状を持っていた。
キャスト
- 栄伝亜夜/松岡茉優
- 高島明石/松坂桃李
- マサル・Cレビ=アナトール/森崎ウィン
- 風間塵/鈴鹿央士