
今回はアマプラ配信開始された「関心領域」についてご紹介します。
『関心領域』の視聴レビュー
私のレビュー
視聴しながら、ずっと眉間にしわがよっていたかもしれません。
直接的なアウシュビッツ内部の映像はないですが、胸が締め付けられるような不協和音が響きます。
銃声、悲鳴がつづいて、思わず耳をふさぎたくなりました…
エンタメ作品ではないので、視聴して面白かった!という作品ではなかったですが…
見てよかったなと思いました。
一見幸せそうに見える一家も、壁の向こう側の出来事とかかわりがあるはずなのに、あそこまで無関心・平然といられる人間の心理がとても恐ろしいです。
ルドルフやルートヴィヒも最初から何も感じなかったのか?それとも、アウシュビッツの隣に住む覚悟を決めてから無関心でいられる様になったのか?
以前、外国の実験でモニターを集め、役割を与えられた人間の心理の実験を行った話を目にしたことがあります。
いわゆる普通の人たちが集められ、一方は囚人役、もう一方は教官役で囚人を見張る役目を与えた所、最初こそ戸惑っていた教官役の人達も次第に自らの立場を受け入れ、平然と罰を与えるようになっていた。
決して許される事ではないけど、もしかしたら一種の洗脳状態に陥っていた可能性も感じました。
ラストで現代のアウシュビッツの様子が映し出されます。
山積みされた大量の靴、犠牲者達の写真…このシーンを見るだけでも見た価値があったと思いました。
ライラックが怖い?
ルドルフが誰かと電話で発した言葉。
「ライラックは傷つきやすいから、丁寧に運ぶように…」
アウシュビッツでは、ユダヤ人たちを人とは思わないような残虐行為を行っている一方、花を傷つけないように、というこの対比が怖いと感じる部分かなと思います。
人間と花の価値は比べるものではないのが当然であるはずなのに、花の価値の方が上とでもいうような言葉を平然と言っている事に、心底異常さを感じました。
リンゴが怖い?
暗闇の中サーモグラフに映し出された少女が夜中にリンゴを盗み、地中にリンゴを埋めていくシーンがあります。
おそらく、労働所にリンゴを隠し埋める事で、食事量も少ない中労働させられているユダヤ人たちが少しでも生きられるように、と自分の危険を顧みずに行っていたとの事。
人目を避けるように急いで自転車で家路に帰る後ろ姿を見ながら、誰にも見つからない事を祈らずにはいられませんでした。
ネット上のレビューは?
『関心領域』のサーモグラフィの一連のシーンには本当に心打たれる。実在する人物がモデルと知って更に心打たれました pic.twitter.com/az1CkOvs4y
— ⚡︎⚡︎腰痛⚡︎⚡︎ (@my_back_hurts__) March 3, 2025
リンゴのシーンですね。実際のエピソードという事に驚きを隠せません。
映画『関心領域』を観た。アウシュビッツ強制収容所の隣で、幸せに暮らす収容所所長家族の話。1度目の感想は「つまらない。」だけど、それこそが制作者の意図だった。観た後に調べずにはいられない。そして、自分自身の無関心領域を突きつけてくる。2度目は食い入るように目が離せなかった。 pic.twitter.com/3V90X7RuXp
— 吉川 梨沙|CRAZYの表現者 (@risa_yoshikawa) January 27, 2025
「関心領域」見た
見る人によって凄く感想に幅がありそう— p🤍 (@aco_ppp) March 2, 2025
本当ですよね。自分がどう感じるか、この作品をどう受け止めるのか、各々が確認してほしいです。
「関心領域」について
2024年 アメリカ制作
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門グランプリ
第96回アカデミー賞国際長編映画賞、音響賞を受賞
関心領域とは第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。
あらすじ
ルドルフ・ヘスとその妻ルートヴィヒは5人の子供達と共に何不自由ない生活を送っている。
庭には不自然な程大きな壁があり、その向こう側にあるウシュビッツ強制収容所と一家を隔てていた。
一家は壁の向こう側の出来事には無関心に生活を営んでいた。
そんな中、ルドルフに転属命令がでるが、妻ルートヴィヒは今の生活を手放したくないと反対して…
まとめ
いかがでしたか?
関心領域は現代も存在しているのではないでしょうか?
自分の中にも無関心を装っている部分を、各々が意識する事が必要なのだと思います。
「関心領域」を見て是非考えてみて下さい。